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“Senior Research Specialist"になる。なお、WHOIの現在の本職位の在職者は6名である。
3. ダルハウジイ大学訪問
(1)大学の概要と当センターとの関係
ダルハウジイ大学は、カナダの大西洋側の玄関であるノバスコシア州ハリファックスにある、1818年に第9代ダルハウジイ伯爵ジョージ・ラムゼイにより設立された由緒ある大学である。ハリファックスは、昨年の先進国サミットが開催された港を中心とした静かな佇いの街であり、軍港、商業港また水産物の水揚げ港として発展してきた歴史を持っている。ダルハウジイ大学には、現在、9つの学部、職員数約940人、学生数が学部学生約9,800人、大学院学生約1,700人の総合大学である。そのなかでも海洋学部の位置付けは高く、本大学における最も中心的な学部と認識されている。この海洋学部は、約100名の教員、約110名の学生を抱え、予算規模も最も大きな学部であり、WOCE(世界海洋循環研究計画)やJGOFS(全球物質循環国際共同研究計画)に参加するなど、世界的にも高いポテンシャルを有している。当センターは、本大学と平成7年度より日加科学技術協力協定に基づく共同研究「赤道湧昇域における基礎生産力変動と環境因子の観測研究(平成7〜9年度)」を実施しており、本年3月より1年間、この共同研究に基いて本大学海洋学部に海洋観測研究部・河野研究員が在外研究員として滞在している。
(2)訪問概要
在外研究員の受入れとこれまでの両機関間の研究協力に対する謝辞を表すことを目的に、平成8年5月22日、

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写真-3ダルハウジィ大学本部棟中庭にて。右より、林理事、Lewis教授、Lindleyコーディネーター、河野研究員、執筆者

本大学を訪問し、今後の協力に関する意見交換ならびに同大学の研究内容及び施設・設備の見学を行ったので、これらについて概略を報告する。本大学においてお会いした主な方々は、Warwick Kimmins海洋学部長、Paul Robinson海洋地質センター所長、Jonathan Grant海洋学科教授(主任代理)。Marlon Lewis海洋学科教授(河野研究員の指導教官)、Carmet Bright防衛研究所・部長代理、Roger Foxall NRC(National Research Council)海洋生物研究所・部長、Jim Elliotベドフォード海洋研究所海洋科学部長ならびにPatricia Lindleyダルハウジイ人学海洋研究ゴーディネイダーである。また、同大学海洋学部の主要な研究として、以下の研究活動についてそれぞれの研究者から紹介を受けた。なお、これらの詳細については執筆者にお問い合わせ頂きたい。
・R.Doyle教授による遺伝子を用いた魚の個体識別法の研究、
・K.Tompson助教授による数値モデルを用いた沿岸の流況予測、
・J.Stratton博士による生態系実験装置「アクアトロン」の概要、
・B.Ruddick博士によるオットセイの増加の抑制の研究
前述したように、本大学において海洋学部は中心的な学部として位置付けられておりカナダにおける海洋研究の重要性について認識できたとともに、本大学とベドフォード海洋研究所との連携のように海洋研究機関と大学との連携は両者において有意義かつ効率的であることが感じられた。
4.ベドフォード海洋研究所訪問
(1)研究所の概要と当センターとの関係
ベドフォード海洋研究所(BIO)は、ダルハウジイ大学が所在するハリファックスから海峡を挟んで対岸のダルマウスにあり、ハリファックス市内からは海峡をまたぐ橋を通って15分程で到着することができる。本研究所は、漁業海洋省の所管する研究所であり、1962年に設立され、研究者と技術者を含め約350名の職員(多くは「出向」)、9隻の船舶(運用はCoast Guard)そして約50億円の予算により、大西洋を中心とした海洋の研究と水路情報の提供を行っている。研究分野としては、海洋の物理、化学、生物、海底地質など広範囲にわたっており、いず

 

 

 

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